サンプルイメージ

はせくらみゆきのマンスリーことのは通信

あけの会 マンスリーことのは通信2020年8月

皆様、こんにちは。
お元気ですか?

夏本番となる8月を迎えました。
といってもまだ梅雨が明けない地域も多数あり、
雨模様が多い中で迎える日本の夏は、
ちょっと不思議な感覚すらありますが。

とはいえまもなく真夏の、
強い日差しがやってくるでしょうから、
皆さま、熱中症対策はお忘れなく、ね。

さて、今回は、いにしえの人たちが、
この期間、どんなふうに暑さ対策をしていたのかを
シェアしたいと思います。
よかったら、あなたも取り入れてみてくださいね。

というわけで、まだエアコンがなかった時代。
たとえば、江戸時代で考えてみましょうか。

長屋に住む住人たちは、夕暮れ時に
外に縁台を出して、自然の風にあたりながら
夕涼みをして、おしゃべりを楽しんでいたようですよ。
(今は、「密」になってしまうので、難しいのかなぁ…)
また、その時は、お酒もはいっていたようで、
さしずめ、江戸版ビアガーデンということに
なるでしょうかね(笑)。

他には、「音の出るものは涼しさを与えてくれる」
と考えていたことから連想されるのは…?

「風鈴」です。

チリン、チリンと風に揺られて鳴る風鈴の音は、
音と共に、涼しさを運んでくれるようですし、
もっとも、吊り下げることで音を鳴らすものは、
銅鐸の時代から始まって、紀元前からあったようですが。
そして、家庭の軒先につるす風鈴は、
室町時代より一般化してきたのだそうです。

ほかにも、真夏の強い日差しを遮る「すだれ」や「よしず」。
(ちなみに「すだれ」は葦の茎や竹を使い、
 よしずは、葦(よし)から作られています)
今も、夏になると売られていますが、
この「夏カーテン」をかけながら、そこにさっと水スプレーをすると、
風が通るたびに気化熱が発生し、かつ、天然素材のいい香りも、
ふわっと漂ってくるというすぐれもの。
なんだか風情がありますね。

さらに、アサガオなどをかけて、グリーンカーテンをつくるとかも、
効果的なようですし、
最も、私がかつて住んでいた沖縄では、
ゴーヤとヘチマを這わせていました(笑)。
パワフルなお野菜たちのカーテンは、
美容から食用まで、大活躍してくれましたよ。

あとは夏の涼といえば、「打ち水」や「浴衣」、
そして、夏の王道である「うちわ」と「扇子」です。
以前、研修会で京扇子を造りましたが、
いよいよその出番でございますよー。

また、食べ物でいえば「かき氷」や、
夏に飲む、「冷やし甘酒」というのもあります。
個人的には、冷やした甘酒を、
コップ三分の一ぐらいを、食事まえに、
ちょこっと飲んでからお食事すると、
腸内環境も整い、調子がよくなるのでおすすめです。

ちなみに、昨年の夏は私は、
イタリアのフィレンツェにいたのですが、
想像以上に暑くて、びっくりしました!
日本なら、熱中症警報が叫ばれるような気温(30度は軽く超える感じ)でも、
現地の人は、「だって、夏だからねー」という感じで、
特に、騒がれることなく淡々としている雰囲気に驚きましたし、
エアコンがない家庭も多かったです。
ですので、窓は開けっぱなし(けれども蚊が入ってくる…泣)。

街をあるくと、多くの人が「ジェラート」を食べています。
で、あまりの暑さにカフェにはいるのですが、
日本のように、アイスコーヒーはありません。
カフェというと、ワンショットのイタリアンエスプレッソです。

どうしてアイスはないの?
と大家さん(イタリア人)に聞くと、
びっくりした顔で、コーヒーが冷たいなんて、信じられない、
といっていました。
ところ変わると常識も変わって、面白いなぁと思いました。

…というわけで、あれこれと言葉の「涼」を綴ってまいりましたが、
ぜひ、昔ながらの知恵も取り入れて、この夏をお過ごしくださいね。

では今月の雅楽をお伝えします。
今月は、目を瞑って聞くと、寄せ打つ海の波を連想させる雅楽、
黄鐘調の「拾翠楽(じっすいらく) 」をお届けします。

ちなみに雅楽には、「時の声」という言葉が伝えられており、
これは調子が醸し出す音の雰囲気と季節感を結び付けて、
四季に応じているものなのですが、

具体的には、
春は双調、夏は黄鐘調、秋は平調、冬は盤渉調と呼ばれ、
聴いてみると、なるほど、風情があるなぁという
漢字なのです。

今は、夏なので「黄鐘調」の調子で聴いていただきますね。

この拾翠楽(じっすいらく) という楽曲は、
平安初期となる承和(834年)の大嘗会の時、
豊楽殿の前に海浜を作りこの曲を奏したそうです。

その際、豊楽殿の前には、砂石を集め、樹木を植え、
山阜の形とし、褾布を敷き浮き草を散らして
海渚の体にかたどったとのこと。
そしてそこには舟を引き海人の藻(も)を拾うのに似せたそうです。
なんとも、情緒溢れる麗しの世界観ですね。

このメルマガでは月一度、
和心を学び、実践していく手立てとなる情報や、
(社)あけのうた雅楽振興会のお知らせなどを、
お伝えしていきます。
なお、今月のあけの会は、会員様用の研修会とお稽古がございます。
この会は、雅楽を中心に和心を学んでいく活動をしております。
興味がある方は、事務局までお問い合わせください。
https://www.akenoutagagaku.com/

秋の集いでは、非会員の方々の参加枠も予定しておりますので、
次のお便りをどうぞお楽しみに。

それでは今月もお元気でお過ごしくださいませ。

一般社団法人あけのうた雅楽振興会代表理事 はせくらみゆき 拝

謡バージョン「あけのうた」冒頭 コチラをクリック!
雅楽バージョン「あけのうた」冒頭 コチラをクリック!
和心を学ぶあけの会メルマガ
入会のご案内〜詳しくはこちら
ことのは通信
CD「ことほぎ」の購入はこちら
七福神祝詞
▲ あけのうたを通じて心の岩戸を開いてくれる神社 枚岡神社
▲ はせくらみゆき オフィシャルHP
はせくらみゆきオフィシャルブログ▲ はせくらみゆきオフィシャルブログ