皆様、こんにちは。
お元気でお過ごしですか?
ゴールデンウィーク真っただ中ですが、
今年はどこかに行かれるご予定ありますか?
私の方は長野でセミナーがあるため出かけてきます。
最近、長野に行く機会が多くなって、そのたびに、
地質マニア(←ただのオタク)としては、
フォッサマグナ~~~~の中にいると興奮してしまうのです。
世界でも珍しい「島弧」の中にいる私たち、
地下はマグマがあって、マントルの活動もある、
秘めた強さのある土地―確かに揺れ動くこともある地ですが、
その分、秘めたるエネルギーとパワーが渦巻いている、
土地とその上に住む人たちなんだろうなという想いが、
ますます強くなっています。
そしておそらくここ10年内には、
日本人がいだいてきた精神性や文化に、
より注目が集まってくるだろうなということを、
今回のフランスで、体感覚として感じました。
今、時代的にはかなり動いていますが、
不安や心配、先のことを憂うことにエネルギーを費やすよりも、
子どもや孫たちが創っていくであろう未来の地球とこの国を
しっかり護り、引き継ぎ、よりよき未来へのバトンを渡せるよう、
今、出来ることをやっていきたいなと思います。
当会―あけのうた雅楽振興会としての活動は、一見地味? ではありますが、
美しき人間本来の生き方や在り方、祈り―精神性の粋ともいえる、
根幹的な部分の役を担っているということなのかな、とも思います。
日々のお稽古を通して、あるいは所作や、和の学びを通して、
一人ひとりの祈りと暮らしの実践を高めていけたらと思っています。
そういえば、今回行ってきたフランスでは現在、静かに、「SHINTO」の
ムーブメントが起こり始めているようです。
なぜ他の宗教を排除しないのか?
なぜ受け入れることが出来るのか?
なぜ自然と共存するのか?
なぜ教義もなく教祖もいないのか?
なぜ押し付けがないのか?
…西洋人からしてみたら奇異に映る宗教観ですが、
だからこそ、寛容と感謝の宗教…いえ、生活習慣・信仰が、
暮らしの中に地続きとなっている神道的価値観が、
私たち一人ひとりの中に、わざわざこと上げせずとも、
根付いているということが大切になってくるのだと思います。
今回私は絵の展示があったため、ユネスコパリ本部へと訪れたのですが、
その展示のお部屋の隣で偶然にも、
「飛鳥・藤原京」を中心としたイベントが開かれていたのです。
(現在世界遺産選定の候補に挙がっているそうです)
パリでいただいた「奈良漬」の味を楽しみながら(笑)、
神様が一緒についてきて下さったような気持ちになり、嬉しくなりました。
飛鳥京・藤原京・近江大津宮・平城京へと続く、激動の時代は、
歴史的にみると、現在よりもはるかに危機にさらされた時代であり、
中国(当時は唐の国)の脅威が増し、いつ攻めてくるかもわからない中で、
「日本」という独立国家を作った時期でもあります。
その時の先人たちの心意気や魂が、世界遺産選定への動きを、
見えないところで支えているのかなとも思いました。
縄文といい飛鳥といい、そうした古代の遺産が、
世界的にも注目されるようになるって、純粋に嬉しいですね。
それでは今月の雅楽をご紹介します。
今月の雅楽は、
「更衣」(ころもがえ)です。
この曲は、雅楽の中の「催馬楽」で、
当時の日本の民謡的な謡を、雅楽の楽器で伴奏をつけてアレンジしたものです。
歌詞はこちら
更衣せんや しゃきんだち 我が衣(きぬ)は、
野原篠原 萩のはなすりや しゃきんだちや
となります。ものすごくゆっくりな節なので、
聞き取りづらいですが(笑)、ただ、こうして
一音一音長く発音するからこそ、音韻の振動が、
確実に伝わっていき、言が事として、現象化していくのかなとも思います。
それでは皆様、今月もどうぞお元気でお過ごしくださいませ。
いつも本当に有難うございます。