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はせくらみゆきのマンスリーことのは通信

あけの会 マンスリーことのは通信2025年10月

皆様、お元気ですか? やっと過ごしやすい爽やかな季節になりましたね。
あけの会では、今月、大きな御奉納を控えておりまして、
会員一同、少し緊張気味で、お稽古に励んでおります。

さて、今月は6日に中秋の名月ですね。
中秋の名月とは旧暦8月15日のことで、一年で最も空気が澄み切った、
美しい月が見られるといわれている日なのです。

ただし「満月」というわけではなく、実際の満月はその翌日の7日となります。
いつも私たちを夜になると優しく照らしてくれる月―太陽の反射でありながら、
直射の強さをやわらげ、人の胸にそっと寄り添い、染み込んでいきます。

中秋の名月の夜には、お芋(里芋やさつまいも)やお団子を供える、
「芋名月」の習わしがあります。

それは収穫への感謝であり、神様と人が共になって時を過ごす、
うるわしき夜でもあります。
お団子は、お月様の象徴でもあるので、まん丸につくります。
本当は、野球ボールぐらい大きくて(笑)、
数も15個(十五夜にちなんで)あったのだとか。

しかもそれは、盗んでもオッケーで、むしろ盗まれると縁起がよいなどといわれ、
かつて子どもたちは競って、お団子を持っていったのだそうですよ。

また、隣に沿えるススキは、黄金色に染まるイネの見立てで、豊穣を意味します。
お月様にお団子にススキ、そしての月を、共に見上げながら宴を楽しむ人々―
中秋の名月には、ぜひ、月夜を見上げ、
素敵なひとときを過ごされてくださいね。

また、ご一緒に、江戸時代流行っていた風雅な遊び―「虫聞き」も、
楽しまれてみてください。

この遊びは、日本人…いえ、日本語人の脳の処理様式(左脳で聴いて左脳の、
言語野で処理する原始的!な脳)だからこそ感じ取ることが出来る遊びです。
虫の音も、自然音も、動物の鳴き声も皆、「音」ではなく「声」として
聞えてしまう私たちは、自然界の気配を代弁し、自然界の声なき声たちのものたちの、
代弁者を務めることのできる、稀有な能力を「たまたま」授かって、
この世界の住人となっています。
この「たまたま」という魂と魂の出逢いを味わいながら、
時を重ねていってほしいなと思います。

さて、この秋の雅楽をご紹介します。
雅楽の音色も自然の模倣がもととなっています。
悠久の時を超えて、いにしえの人々が、楽の音を通して、
いかにして自然に向かい合い、溶け合っていく感性で過ごされていたのか、
そんな視点も持ちながら聞かれると、また面白い発見があるかと思います。

「長保楽急」(宮内庁式楽部の録音テープより)

このテンポは、やはり人を相手にするというよりも、
「自然」のほうに働きかけているとしか思えないのですね。
せっかくなので舞楽の方ももう一つご紹介します。

「納曾利」

二人舞で演じられる納曾利(なそり)が新鮮でカッコいい!です。

私のほうは、この秋、中秋の名月にちなんだ「観月会」にて、
月夜の下の雅楽を楽しんで参ります。
「いとおかし」と「もののあはれ」、そして顕幽が交錯する世界の中で、
何を感じるのか、興味深い夜でもあります。

それでは今日はこの辺で。
どうぞ良き秋をお過ごしくださいませ。

あけの会 はせくらみゆき

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