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はせくらみゆきのマンスリーことのは通信

あけの会 マンスリーことのは通信2022年5月

皆様、こんにちは。お元気ですか?
初夏の風が爽やかな季節を迎えました。
ゴールデンウィークはいかがお過ごしですか?

ちょうど今時期は、野の花や花壇のお花も次々と咲いてくるので、
外を歩いていてもとても楽しいですよね。

誰に見られずとも、褒められずとも、
先を憂うでもなく、後を悔やむでもなく、
ただただ咲くそのイノチの、あるがままの尊さを感じながら、
私たちのイノチも肥やしていけたらいいなと思います。

さて、今月は、
柴を背負って本を読んで…の像で有名な、
二宮金次郎のお話をしたいと思います。

二宮金次郎(二宮尊徳)は、江戸時代末期に活躍した、
農政者です。また、当時にあって、
信用組合のようなものも日本発で構築して、
疲弊した村を次々と復興させた、
まさしく天才的な才覚を持った時代の人だったんですね。
もっとも、しばを背負って本を読んで…の格好についてですが、
実際にはそんな恰好で本を読んでいたわけではなかったようですが。

そんな金次郎さんは、もともとは豊かな農家の子息だったのですが、
父母と死に別れとなり、その後、親せきの家に預けられながら、
大変苦労して学問をおさめることになります。

もちろん、親せき(こちらも農家)の家で、朝早くから夜遅くまで、
ひたすら農業に従事しながら、寝る間を惜しんで学んだのですね。

その後、金次郎の才覚が認められ小田原藩に仕えるのですが、
そこで、ピンチに陥っていた藩を立て直し、今度は幕府に登用されるんです。
そこでもまた、見事、貧農にあえぐ農民たちを救い、
彼がかかわったところは皆、飢えることなく豊かに暮らすんですね。

すると…ここで金次郎さん(そのころはもう尊徳さんの名前になっていますので、
ここからは尊徳さんにしますね)、いえ、尊徳さんにピンチが訪れるわけです。
どんなピンチかというと…同じお役人からの嫉妬からくる、いやがらせです。
お役人はさまざまな意地悪をしながら、農民たちも誘導して、
尊徳さんの政策がうまくいかないよう、動いていくんです。
そして…にっちもさっちもいかなくなったとき、

尊徳さんは、いなくなってしまうんです。
まぁ、現代風に言うと、家出、という表現になるんでしょうかね。
村人共々、大騒ぎになるのですが、皆、どこにいるのかわからないのです。

実はその時、尊徳さんはお寺にこもって修行していたのですね。
断食しながら厳しい修行をし、徹底的に自分を見つめ直す、
ということをされたのです。

その中で得た、一つの言葉があります。
それが、「一円融合」。

どんな人も、どんなことも、すべては
大きな一円の中に含まれ、入っており、
それらが、それぞれのあり方、やり方で立ち働きながら、
すべては繋がり、融け合い、かかわりあっている、
という考え方です。

それまでは、尊徳さんの中にも、
「誰かがこういったから」とか、
「誰が、働いてくれないから」といった、
他者に向ける、がっかりした気持ちがあったようなのですが、

その悟りを得て以来、
すべては繋がり、どんな人も、どんなことも、有機的に、
かかわりあっているのだから、すべてを含めて一円の中にある」
ということがわかり、
彼自身は全く新しい境地へと至られたようです。
それが、「一円融合」の思想です。

一円融合として生きる。

それぞれが、それぞれに働きながらも、
それぞれの動きが、同じ大きな目的に向かって動き出したときの力は、
さらに活性化して、より大きなことも達成できる。
このように尊徳さんは考え、
ますます仕事に励まれたそうです。

実際は、その後、農民たちや役人の気持ちも変わり、
皆一丸となって、村や町の復興に励み,
それぞれの人たちが、自らの徳をもって、
出来ることをすることで他をも豊かにするという流れが生まれ、
その流れは、全国各地へと広がっていった、というものです。
まさしく、かつての小学校の校庭の隅に、
像が建てられるだけの偉人でもあったのですね。

余談ですが、私の父方の家系は、
山口県出身の士族だったそうですが、
大正期に開拓民として、北海道に渡ったそうです。
その場所が、なんと二宮尊徳のお孫さんである、
二宮尊親氏が北海道に来て開墾した土地のすぐそばでした。
もしかしたら、繋がりがあったのかもしれないなぁと思うと、
時を超えた縁を感じずにはいられません。

なんだか、長いお話となってしまいましたが、
今の時代を生きる私たちはきっと、
目に見えない「一円融合」に貫かれた、
同志ではないかと感じてならないのですね。

それぞれが出来る事、やれること、
得意分野、嬉しいこと…それらを組み合わせながら、
皆で、大きな調和の世界―大調和へと向かって、
歩を進めていく時代。
その一人ひとりが、私たちであり、
私たちの歩みが、たった今、
宇宙に刻まれて続けているんじゃないかなと思うんですよ。

そんな壮大な世界観を抱いたまま…、
ぜひ、今月の雅楽もお楽しみください。
雅楽の音色は、聞こえない高周波の音が、
あなたと世界を癒し、新しい地平へといざなうお手伝いをしてくれますよ。

五月は、作業用BGMとて聴ける雅楽を、
セレクトしてみました。

https://www.youtube.com/watch?v=VQV4gACS3fA&t=1695s

東歌から音取など、さまざまな雅楽が入っておりますので、
読書をしながら、小さくかけておくと、
そのまま平安で雅な、
楽の音の世界へとトリップ出来るのではないかと思います。
どうぞお楽しみくださいませ。
皆様、素敵なゴールデンウィークをお過ごしくださいね。

はせくらみゆき 拝

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