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はせくらみゆきのマンスリーことのは通信

あけの会 マンスリーことのは通信2022年4月

皆様、こんにちは。お元気ですか?
春爛漫の温かな季節がやってきました。

地域によってはまだ寒いよーというところもあると思いますが、
風は確かに春を告げていて、
柔らかな風の匂いや質感を感じるたびに、
なんだかほっこりと幸せな気持ちになります。
季節感がしっかりある国に生まれることが出来て、
有難いですね。

さて、ではさっそく今月の小噺を(←まだ江戸風…笑)。
今も継続している私のマイブームである江戸学の学びより、
江戸時代の子育てについて、ご紹介したいと思います。

江戸時代も、そして今も、
「子は宝」として認識されていました。

それは当時のヨーロッパからみると、
天国と地獄ともいえるほどの差で、
ヨーロッパでは、子どもは小さな大人としてみなされ、
狭い煙突の中に入って煙突掃除をしたり(大変危険な作業)、
劣悪な環境の中で、大人と同じ労働を強いられていたのです。
そこから見ると、江戸時代は、
子育ては胎教から始まるとされていて、胎教にも熱心だったのですね。

そして生まれてからは、(当時は座って産む、座産が普通でした)、
地域ぐるみで祝い、皆の宝として大事に育てられていたのです。
ちなみに当時の戸籍は、臍帯が戸籍代わりとなって、桐箱に入れて、
大切に保管されたのだとか。(今もその風習残っていますよね)。

とはいえ、まだまだ衛生状況などもよくなかった当時は、
乳幼児の死亡率が高く、そのため、
「七歳までは神の内」と呼んでいたのだそうです。

そうして約6~8歳になる頃には、寺子屋へ通い、
読み書き算盤を習い、高い識字率を持つ、
学び好きの日本人が育っていったというわけです。
当時の識字率は7~8割といわれ、その比率は、
圧倒的に世界第一の教育大国であったのですね。

そんな中、女子も識字率が高いというのは、
性差別の強かった当時の世界からしてみると、
信じられないことでもあったようです。
特に女子は、読み書き算盤の他にあることを大事にされたのです。
それは、寺子屋だけではなく、母親からの躾でもありました。

女子の教育において大切なことは四つあります。

一つは、婦徳。女性が守るべき道徳です。
二つめは、婦言。女性の言葉遣いの心得です。
三つめは、婦容。女性の身だしなみです。
四つめは、婦功。女性の仕事です。

これを「四教」と呼び、美しい振る舞いができるようにと、
礼儀作法を中心にしっかりと躾けられていったのですね。
今も役立つことたくさんありますねー。
…って、このことはきっと、
私たちの比較的遠くないご先祖様のおばあちゃんたちは、
皆、教えられていたのでしょうね。

温故知新。未来へと大切なことは継承すべく、
心がけていきたいなぁと思いました。

では最後に今月の雅楽を。
今月は江戸の里神楽をご紹介します。

尚、「神楽」についての語源ですが、
「神座」(かむくら・かみくら)が転じたものとするのが一般的です。
この神座とは「神の宿るところ」、「招魂・鎮魂を行う場所」という意味ですが、

神座に神々を降ろして、巫女が集まった人々のケガレを祓ったり、
神懸かりとなって神の意志を伝えたり、
また人の側からは願望が伝えられるなど、
神人一体の宴を催す場であることから、
そこで行われた歌舞が、神楽と呼ばれるようになったと考えられています。

というわけで、わたくしたちが行っている雅楽は、
「神楽」でもあるのですね。
そんな神楽の種類ですが、大きく分けて二つに分類されます。
一つは、宮中で行われる御神楽(みかぐら)。
そして、民間で行われる里神楽(さとかぐら)です。

というわけで、
国の重要無形民俗文化財に指定されている芸能である、
稲木山の山本社中が奉納されている、
粋でいなせな江戸の里神楽の動画です。
観客目線の位置で撮影されているので、
自分もそこにいるような臨場感が味わえますよ。

それでは皆様、どうぞお元気で。
お身体を大切に、
春爛漫の卯月をお楽しみください。

はせくらみゆき 拝

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